サバイバルとしての金融―株価とは何か・企業買収は悪いことか (祥伝社新書)



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サバイバルとしての金融―株価とは何か・企業買収は悪いことか (祥伝社新書)
サバイバルとしての金融―株価とは何か・企業買収は悪いことか (祥伝社新書)

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誰向けのメッセージか釈然としない

 興銀で勤務し、スタンフォードでMBA取得後退職し、外資系証券会社でM&Aの最前線で得た経験を基に語ったもの。マネーゲーム批判には批判的。
 つまり、ノーベル賞を取るような優秀な人材が金融を深く追求することで、より優れた資源配分が実現するとの立場に立っている。
 
 第5章辺りまでは、一般的な個人に対する記述か。株価に関する記述は比較的常識的。
 つまり、バフェットが師と仰ぐグレアムの言葉(「株価は、本来その価値を実現する価格に落ちつくことになっている」)は、彼が師事したウィリアム・シャープ教授(市場は効率的との立場)、ジャック・マクドナルド教授(市場は非効率的との立場)も立場は違うが同じ考えである。
 シャープ教授の言葉で言えば、「株価とは、将来の利益を現在価値に割り戻したものの総和である」いうことになるのだそうだ。
 なお、日本の市場については効率的ではないと見ているようだ。

 第6章から第8章辺りは、企業経営者に対するコンサルタントとしてのメッセージであろうか。 
 経営者にとってみれば、M&Aによる売却とIPOに大きな違いはないにもかかわらず、日本の経営者は過度にM&Aに拒否反応を示すと分析している。つまり、IPOによって参加してきた株主の利益のことが頭にないことと裏腹であると喝破している。
  また、アメリカの銀行の収益管理は日本と全く違い、RAROCによるリスク・収益管理がなされているとのことだ。「華麗なる一族」でもあったように、採算無視で規模の拡大を図る日本の銀行像は未だに大きくは変わっていないようだ。

 第10章はアメリカの投資銀行の現在について語られている。
 ソイファー(著名なアナリスト)がグローバルな投資銀行となるための条件を示しているとのことで、
 1)主要な市場におけるオリジネーション(案件組成・創設力)と販売力、
 2)豊富な経験に裏打ちされた優れた市場ノウハウ、
 3)高度の信用力による健全な財務内容、
 4)革新的な創意工夫を歓迎し、これに応える企業文化、
 だそうだ。ただ、サブプライム問題により各投資銀行の財務状況が大きく傷ついているのを見ると、収益機会(チャンス)とリスクは裏腹だと実感させられる。
真っ当な金融論

 日本の銀行とアメリカの投資銀行に勤めた経験のある著者による金融入門書。
 個人一人一人が「金融を見る目」、「金融のものの見方」を身に着けることで社会が成熟しより良い
方向へ発展していけるのでは、という思いで書かれた本であることが読んでみるとよく分かります。
 不動産の値段は、その不動産が上げる収益(キャッシュ・フロー)で決まる。 そのことが本当に分
かっていたのなら日本の銀行はバブル崩壊時あれほど不動産投資で痛手を受けなかったのではないかとの著者の思い・・・、
 アメリカ的とか日本式とかを論ずることは往々にして本質を見えにくくする。
 ステークホルダー型資本主義などといって日本だけで通じる得意なシステムというのは実は一部の既得
権者だけが得をするシステムになっていることが多いようです。 
 等の記述をみると日本の会社組織の負の面というか保守性に焦点が当たっていて、その中にいる自分
としても頷ける面が多々あります。
 資本主義社会に生きている人間としては、金融のことが分かっていた方が良いのはその通りで、そのた
めの入門書としては良い本だと思います。
資本主義の本質を説く本

元外資系の投資銀行マン(M&Aアドバイザー)が資本主義を語ったもの。

類書に森生明氏の『会社の値段』があるが、森氏も元外資系の投資銀行マンであるものの、バックグラウンドが法学であることから、株式会社制度を通して資本主義を説いているが、岩崎氏はバックグラウンドが経済学であることから、金融を通してそれを説いている。

その根底にあるのは、「マーケットは効率的であることで、資金が効率的に使われる。そのためには、我々個人が金融のものの見方を身につけ、企業価値を向上できない経営者を変えていかなければならない。それが経営者が企業価値を向上させるインセンティブになる。」であると思います。企業価値の向上を支援する投資銀行マンゆえ、説得力があります。一部マスコミのデマに流されず、資本主義の本質を知ることができます。
「本質的な金融入門書!!」

間違いなく良書!!金融入門書でもあり金融教育書にも思える。
金融に関する「ものの見方」と「考え方」を身につけ、それによって
少しでも良い方向に社会が変わってくれれば・・そんな著者の思いが
溢れている。
アメリカ的とか日本式とかを論ずることを避け、何が企業価値を高めるのか、
企業の価値を極大化する経営とは何か・・を数式や専門用語を殆ど使わず
これほど解りやすく説いている入門書にお目にかかったことはない。
「M&Aには否定的、しかしIPOに喜ぶメンタリティー」「和を以って貴しとする
の限界」「市場主義を拝金主義と誤認する風土」「猫も杓子も持株会社」・・・
新しい視点を与えてくれた一冊だった。
企業価値とは何か、またそれを極大化することを考える場合、そこには必ず
倫理と国家観が存在が必要・・まさに同感!!

金融は現代ビジネスマン必修科目

興銀時代にMBAを取得し、外資系投資銀行でも活躍した著者が、理論株価の算定方法から、M&Aを含めた企業価値向上の方法まで平易に解説する。

アダムスミスのいう、「市場の神の手」に導かれて市場は効率的なものに調整されるという「市場原理主義」が、現代の(特にアメリカの)企業の根本原理になっています。

外国人の持ち株比率の上昇、いわゆるハゲタカファンドによる買収、M&Aの急増等々、世界中を駆けめぐるこの金融資本主義のルールは日本経済を大きく変えようとしています。従来の「ムラ社会」的なビジネスのやり方が通用しなくなっています。

そうした中、企業の価値を正しく算定し、それを高めていくためにはどうすればよいか、といった知識は、ビジネスというゲームのルールとなっている以上、日本で働くビジネスマンにとっても必須の知識です。

本書は、初心者にも分かりやすく「株価とは?」「企業の価値とは?」といった金融の基本知識を解説しています。難しい数式などは使わずに金融的な考え方が理解できるようになっています。

なお、著者の投資銀行での経験(特に「0泊2日のパリ出張」の話など)も興味深いです。市場主義を極めるとビジネスマンも無駄なく最大限働くということになるのでしょうか。

全てのビジネスマンにとって必ず役に立つ本。M&Aなど旬の話題を理解するための読み物としてもおすすめです。



祥伝社
会社の値段 (ちくま新書)
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サルになれなかった僕たち―なぜ外資系金融機関は高給取りなのか
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投資ファンドとは何か 知っておきたい仕組みと手法 (PHPビジネス新書)







         
         

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